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本当のコロナ倒産危機はこれから?

2020年に世界中を襲った、新型コロナウイルス危機。青天の霹靂のこの出来事で、経済も大きな打撃を受けました。ですが、イメージしているほど現時点で倒産件数は出ていないというデータがあります。

新型コロナウイルス関連倒産データ帝国データバンクHPより)

・「新型コロナウイルス関連倒産」(法人および個人事業主)は、全国に1126件判明(3月9日16時現在)

・法的整理1011件(破産958件、会社更生法1件、民事再生法45件、特別清算7件)、事業停止115件

・業種別上位は「飲食店」(180件)、「建設・工事業」(97件)、「ホテル・旅館」(80件)、

「アパレル小売」(63件)、「食品卸」(56件)など

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実は企業倒産件数全体は「増えていない」

いわずもがな、長引くコロナ禍で厳しい節目を迎えている企業は増加しています。東京商工リサーチによるとコロナ関連倒産は2021年2月26日時点で累計1108件。2021年2月は122件と月間の最多記録を更新しています。

誰もいない空港

ただ、ここに意外なデータがあります。2020年の倒産件数は2019年比7%減の7773件で、1990年以来の少なさを記録しているのです。びっくりですね。実は、日本国内の企業倒産件数全体は意外に増えていないのです。

これは、政府の支援策によるものに他なりません。持続化給付金をはじめ、無利子・無担保融資も大きなサポートとなっているでしょう。

問題は支援が打ち切られたあと

上記のように、倒産企業数が低く止まっているのは、ひとえに政府の支援策のおかげです。これは、裏を返せば、支援策が打ち切られてからが正念場というわけです。支援策はいつまでも続きません。コロナ融資は「約半年分の運転資金」として執行されています。つまり、大半の融資期間はもう終わりを迎えているのです。このまま経済が回復しなければ…。今度こそ、倒産企業数が大幅に増えてしまうことは想像に難くありません。

不良債権ファンドの動き

こういった今後の倒産急増・不良債権増加といった流れを読み、不良債権ファンド業界も動き始めています。豪ペッパー・グループは債権回収会社を買収し、1月から日本における不良債権ビジネスに参入しました。主に地方銀行が抱える案件をターゲットに定めているとか。地方には、有望事業であるものの過剰債務で苦しんでいる企業が多くあるためです。